Last Updated on 2024年9月1日 by らくろぐ
育休刑事が2023年4月期よりNHKにてドラマ化されることが発表されました。
主演は金子大地さん! 「鎌倉殿の13人」では頼家での演技も記憶に新しいですね。
金子さんが演じる「秋月春風(はると)」は生後6か月の蓮くんをもつパパであり県警本部捜査一課所属の巡査部長です。
愛する妻の沙樹(さき)さんと相談のうえ、1年間の育休を取ることになりました。
ドラマではどのようなストーリになるのか、まだ発表されていない役は誰が演じるのか予想しながら「育休刑事」の原作について紹介します。
育休刑事(デカ)とは?
「育休刑事(デカ)」は似鳥鶏(にたとりけい)さんによる作品です。角川書店から現在は文庫版も出版されています。
似鳥鶏さんのその他の作品ではドラマ化された「戦力外捜査官」シリーズなどありますね。
育休刑事
どんな原作?
主人公の秋月春風巡査部長は、息子の蓮くんが生後3か月になったときに、妻の沙樹さんと相談し、1年の育休を取ることを決めました。
父親がまとまった期間の育休をとるということも珍しくなくなった昨今ですが、刑事という職業柄、春風が育休を取ることは相当の覚悟と決心が必要でした。しかし、新しい風を組織の中に吹き込もうという思いから、最終的に育休を取得することを決めました。
原作で描かれる、春風と蓮くん二人の日常の日々は、一般的に母親が赤ちゃんと過ごしている日常と何ら変わりはありません。
赤ちゃんのお世話だけでなく、育児と家事をどうやって両立させるか(蓮くんが寝ている間に食事の準備をして、、)など時間の過ごし方も育児経験者の自分から見ると懐かしく、またほほえましく思えます。
ただ、男性が育休を取ってまで育児をしている様子に対しての周囲の対応を、当事者である男性目線で描写している部分は、はっとさせられることがとても多いと感じました。
平日にパパが一人で蓮くんを連れてお買い物やお散歩していると、「今日はパパがお休みなの?」と必ず聞かれるとか、年配の女性からは「うらやましい」と言われたり。
ドラマでは恋愛対象が異性でないことを特段説明を入れなくても描かれるようになってきましたが、やっぱりパパが育休とって乳児期の子育てを行うという設定はまだまだ新しい描写なのだと実感しました。
これが目新しい題材でなく普通の設定として描かれる日本になる日はいつやってくるのでしょう。
物語は、春風、蓮くん、妻の沙樹さん、そして春風の姉であり、沙樹さんの親友の涼子の4人を中心に進んでいきます。
涼子さんは監察医であるため、事件現場や遺体の解剖には慣れているとはいえ、なかなか言動がグロテスクで、もし他人がそばで聞いていたら子供を虐待しているかと勘違いされそう。でも叔母バカなので大好きな蓮君にいつも会いに来て、そしてさりげなく春風のサポートをしてくれています。
しかし、春風にとって、トラブル体質の姉なので、彼女がやってくる時はいつも春風は事件に巻き込まれます。
原作では3つの事件がそれぞれ別のストーリーとして構成されています。
- 人質は寝返りをする
姉と蓮君と3人でお出かけし、偶然入った質屋で誘拐事件に巻き込まれるはると。育休中のため事件の捜査は関係ないはずだが、当事者のため関係者に話を聞くことに。そこで事件の裏にある悲しい事実に気づきます。
- 瞬間移動のはずがない
家族で実家に行った帰り道、(もちろん姉も一緒)見つけてしまった怪奇現象。それがある事件のアリバイを証明することになってしまった。容疑者のアリバイを崩すために、仕方なく(育休刑事は)捜査に乗り出します。
- お外に出たらご挨拶
他の2話とは違った構成でのお話。それぞれ別の時間軸で話が進んでいく展開ですが、実はそれははるとも現場に遭遇する爆破予告事件の現場へと引き寄せされていくのでした。
3つのエピソードは、どれも春風が子育て中ならではの視点から犯人や事件解決の糸口を見つけていきます。この点がこの小説のオリジナリティな部分だと言えるでしょう。
また物語の随所にでてくる、子育てあるある、赤ちゃんあるあるも、子育て経験者ならみな微笑んでしまうようなエピソードばかりで、ここに引き付けられる読者も多いのではないでしょうか。
私が一番のツボに入ったネタは、蓮くんがあみあみボールがお気に入りなところ。あのボールは確かに私の周りでも赤ちゃん所持率100%ですね。(我が家もそうでした)
外出時の荷物が増えてしまうこと。おむつがすぐにサイズアウトして大惨事になること。赤ちゃんの成長とともに行動範囲が広がり、目を光らせる場面が変わってくること。
子育てしているときは無我夢中で、そんな一つ一つのエピソードを気に留めることもないまま過ぎていた日々でしたが、こうやって改めて描いてくれたことで、自分自身の昔の思い出が、よみがえってきました。
子育てが終わった人も、将来かかわる人も、全然参加せず後悔していた人も、関わったと自信を持っていたお父さんも。そしてかかわることなかった人も。この本を手に取って読んでみていただければ、いろんな人の目線で描いていることに気づくはずです。
ドラマ化
さて、2023年4月18日スタートのドラマ10「育休刑事」。
https://www.nhk.jp/g/blog/j1fz1iytjex/
主演は金子大地さんですが、あの個性的な姉、涼子は前田敦子さんが演じます。
前田さんはNHKでは伝説のお母さんでワンオペ育児に奮闘する伝説の魔法使いを演じました。このドラマが大好きで、さっちゃん役の赤ちゃんがとってもかわいく、赤ちゃんとともに旅する敦ちゃんもとってもキュートでした。
https://www.nhk.jp/g/blog/j1fz1iytjex/
原作マンガはこちらです。
今回も蓮くん溺愛の叔母涼子を魅力的に演じてくれるでしょう。
そして、春風の大切な妻、沙樹さんを演じるのは北乃きいさんです。
北野さんはまだ高校生くらいのイメージだったので、母親役を演じるのがとても楽しみです。
他の配役は?
細かい配役は(2023年4月10日時点)まだ発表になっていないようです。
個々のエピソード(事件関係者)とは別に物語を通して登場するのは春風の上司の「石蕗(つわぶき)係長」。
この人のキャラクターは育休に理解あるふうで、実情あまり理解していないといった感じ。誰が良いかと考えて、、、「サンドイッチマンの富沢さん」はどうでしょう?
また3つ目のエピソード「お外に出たらご挨拶」は警察関係者がたくさん登場します。
この中でキーとなる人物が「課長」。この人は若いが冷静沈着で血気多い警察内のノンキャリ組の上に立つキャリア官僚の役です。
比較的若く、冷静沈着なイメージとして私が推したいのは「小泉孝太郎」さん。
(でも原作を読み進むとこの想像は全く見当違いだったことが判ります)
まとめ
4月18日スタートのドラマ10「育休刑事」。原作ファンの私としてはどのように映像化されるのかが楽しみでたまりません。
原作の良さを生かしつつドラマが楽しめるよう、原作の紹介をさせていただきました。
原作を読んでから、実写のイメージを楽しみながらでも、ドラマを見た後に答え合わせをするのでもどちらもとても楽しめると思います。
ぜひ、読んでみてください。